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ナンバー5さんのレビュー
02
「フランケンシュタインの逆襲」
CURSE OF FRANKENSTEIN(1957)英

監督:テレンス・フィッシャー
出演:クリストファー・リー、ピーター・カッシング

最近はCGで血の表現をするものも出てきましたよね。たとえば、「ブレイド」とか。このあいだの平山版「魔界転生」がパクっていましたけど、あれも映画的な死の表現、処理方法のひとつなのでしょー。スプラッター映画に洗礼を受けた僕などにはちょっと物足りない感じもしますが、必要以上に血しぶきがあがるものが、この時代に受け入れられるとは思われません。では、スプラッター映画が隆盛する前はどうだったのでしょー。これはイギリスのハマー映画第1作としてあまりに名高い作品です。ここには当然のことながら、スプラッター映画に散見できるような血の飛沫はありません。しかし、ピーター・カッシングによるフランケンシュタイン博士の残酷さは、そのような直接的な表現がなくても十分に感じることができます。また、僕などはクリストファー・リーといえば、スマートなドラキュラのイメージしかなかったのですが、この怪物の雰囲気はスマートさとはまったく無縁です。気味悪く、恐ろしく、そして哀しい怪物をボリス・カーロフとは異なる切り口で見せてくれます。作られてから半世紀近く経つ作品ですが、ゆめゆめ古くなったとは言えないシロモノです。必見です。
「大日本帝国」
(1985)日本

監督:舛田利雄
出演:丹波哲郎、あおい輝彦、三浦友和

いわゆる芸術映画ではないのですが、とても重いテーマを扱っています。で、長いです。180分です。ビデオの上巻が終わると、画面に「休憩」って文字が出ます(笑)。そのため、腰を入れて見ないと、ものすっごく退屈してしまうかもしれません。くわえて極めてドメスティックな内容です。外国の方が喜んでみることはないでしょー。ここに描かれていることが、どれほど史実に忠実なのか、僕には確認する知識はありません。僕はただこの映画を「死に方の回答集」のように観ました。死に方の回答とは、生き方の回答でもあるはずです。しかし、その面についてはちょっとばかり糖衣で包まれています(笑)。東条英機の死を前にした役目の完遂、キリスト者の青年による軍人としてこだわり、生を選ぶためにプライドを投げ捨てた兵士の死を賭した翻意の理由…などなどを目の前にしてどう感じるか。ここに作り手の意図がこめられているような気がしてならないのです。うーん、日本人なら観ておいて悪いもんじゃない映画…なんて言ってみたりして(笑)。まあエンディングの出演者一覧が「政府関係」「軍人関係」「民間関係」といった並びでズラズラ出てきたのには度肝をぬかれましたけれども…ネ。(^^:)
「STACY」
(2001)日本

監督:友松直之
出演:加藤夏希、尾美としのり
原作:大槻ケンヂ

ロメロ隊、ブルース・キャンベルハンド、女子高生三人組の殺し屋など マンガチックな設定が付されているなかで、同時に自分の娘や恋人を殺すことの悲しみが織りまぜられている。しかし、それらフラグメントが物語のなかで完全に消化されているとは言いがたく、ときどきキャラクターがすべて浮き足立っているように思えてしまうのは僕だけだろうか?しかしこれらを補って余りあるのが、たよりない人形師とゾンビ化するまでのわずかな時間を共にする女子高生の感情生活、それが前面に出ているシーンである。そこに、この作品の持つオリジナリティ一があるような気がしてならない。まあ、ここに登場するよーな女子高生が、現実にいるはずがないよな〜とか、こんなの意気地のないオトコの妄想にすぎないよとかいう話は、また別に置いておくこととして。
「エンゼル・ハート」
ANGEL HEART(1987)米

監督:アラン・パーカー
出演:ミッキー・ローク、ロバート・デ・ニーロ、リサ・ボネ

ある探偵がお金でないものに雇われてました、ああ、ビックリーってゆー話です(笑)。映像は洒落ていて音楽も素晴らしい。いくつか死体が出てきますが、様式美ってゆー言葉が浮かんだりもしてくるほど見事な死体です(なんのこっちゃ)。指が切れちゃったりするシーンは「マニアック2000」へのオマージュかしら?ただ僕はまったく感情移入できない映画でした。なんだかね、ちょっと知的な異性の友達と一緒に観たら楽しめるよーな気がしました。適度に相槌をうって顔を盗み見るにはうってつけだなあ〜とか。不謹慎でスマン。
「愛・旅立ち」
(1985)日本

監督:舛田利雄
出演:中森明菜、近藤真彦

末期ガンの中森明菜は天涯孤独な身の上で、ラフ力ディオ・ハ一ンの「怪談」が愛読書。同室の老婆に「耳なし芳一」を嬉々として語ってきかせる。こわ〜。語りおえると老婆は亡くなっている。こわ〜。そして看護婦がくれた仔犬(おいおい、病院だぞ)に「芳一」と名づける。こわ〜。しまいには、明菜の熱意にほだされて「耳なし芳一」の幽霊が出てくる。こわ〜。ああ、全篇、死、死、死。そういうストーリ一の絡みからか、丹波哲郎もホームレス役で出てきて、近藤真彦の臨死体験話の聞き役をしてます。「愛・旅立ち」というタイトル。間違いなく、愛と死という意味なのでしょうね。


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